こんにちは、D課長です!
前回のコラム 「これだけ!PDCA」のポイントを解説④ ~C(評価)のポイント~ では、評価を進めていくためのポイントについて解説しました。
今回は、PDCAのA(改善)のポイントについて解説します!
この記事は、次のような人におすすめです!
・Cで問題・課題はわかっているけど、改善活動ができない
・みんなで改善活動を考えたけど、元の状態に戻っている
・問題・課題がわかった段階でスピーディーに改善活動に移りたい
立てた計画を実行し、その結果・現状を評価し、次は評価で浮かび上がった問題・課題の改善を行なっていくといった流れで、ここまできたらもう大丈夫・・・と思っていてもなかなか実行にうつせないのが人間です。確実に改善につなげていく上で、どんなことが障害となるかポイントを解説していきます。この記事を読んで、Aの考え方について理解し、企業運営、チーム運営に活かしていきましょう!
それではどうぞ!
目次
改善活動を妨げる”4つのしがらみ”
改善活動を妨げるしがらみとして、①評価制度によるしがらみ、②組織構造によるしがらみ、③習慣によるしがらみ、④考え方によるしがらみがあげられます。
・評価制度によるしがらみ
→大前提に、人は「評価されるように動く」という事実があります。そのことを考えると、例えば、リーダーから部下の指導を進めていく必要がある場合、現行のリーダーの評価制度の中に部下育成が入っていなければ、”自分は指導しても評価されない”ということで部下の指導が進まないという状況に陥ってしまいます
・組織構造によるしがらみ
→企業規模にもよりますが、組織は開発→生産→営業→管理といった機能ごとに成り立っている場合がほとんどです。”タテ割の弊害”といった言葉で表現されることもあるように、部門最適の目線になってしまうと、他部門と協力して施策に取り組むということが難しくなってしまうことがあります
・習慣によるしがらみ
→現場担当者の中には、「これはルールだから変えられない」と今までの業務のやり方・進め方にとらわれ、新しい取組に対して異常なアレルギー反応を起こすことがあります
・考え方によるしがらみ
→「ウチの業界は特別だから、なかなかその通りにはいかないんです」、「ゆとり世代は」といった思い込みにより、新しい取組に着手しないことがあります
以上のような”しがらみ”から問題・課題は見えていてもなかなか改善が進まないといった経験をされている方は少なくないのではないでしょうか。このような”しがらみ”を打破していくためには「コミュケーション」が重要になってきます。
しがらみ打破のためのコミュニケーション
改善を進めるためには、周囲のメンバーを巻き込むことが必要不可欠です。そのためには、会議を有効活用することがもっとも手っ取り早い手段と言えます。会議を有効活用するためには、「何のために会議を開くのか」といった目的を明確にしましょう。
[会議の目的例]
・方針伝達
・現状把握
・状況共有
・問題抽出
・問題解決
・企画立案
目的を明確にした上で、必ず「理解」と「納得」を得られているかといった点をを気にして進めていきましょう。この点が抜けてしまうと、「意見だけを言い合っただけで何も進まない」となってしまい改善活動につながらなくなってしまいます。
チームの基礎力をあげる5S活動
スピーディーに改善を進めていけるチームにしていくためには、チームの基礎力をどんどん高めていく必要があります。
チームの基礎力とは、「このチームではここまでが当たり前にできる」といったレベルのことです。例えば、挨拶、5Sが徹底できるよう、日々頑張らなければならないチームとそんなことは当たり前のこととして高いレベルで実践できているチームを比較すれば、チーム力の差は歴然としていると思いませんか。
改善を実行する力は、チームの基礎力から生まれるのです。
そのため、まずはチームの基礎力を高めるために5S活動の徹底をおすすめします。
[5Sとは]
整理 | 必要なものだけを残し、不要なものを捨てる |
整頓 | 必要なものを使いやすい場所に置き、決められた場所に置く |
清掃 | 汚れを落とし、きれいな状態を保つ |
清潔 | 清潔な状態を保ち、細部まで点検する |
躾 | 5S活動を習慣化させる |
まとめ
以上、A(改善)の進め方のポイント解説でした!
それでは、今回の内容を振り返ります。
[まとめ]
- しがらみに縛られて、改善策が打てないといつまでたっても成果はでない
- しがらみは、評価制度、組織構造、習慣、考えたの4つ
- しがらみを打破するためには、会議を有効活用する
- 会議では会議の目的、参加者の理解、納得を常に意識する
- 改善の取り組むを進めていくために、まずはチームの基礎力をあげる
- 基礎力をあげるには、5S活動がおすすめ
A(改善)を上手く進めていくためには、しがらみを意識しながら会議を有効に活用していくこととそもそものチームの基礎力を上げることが重要になってきます。
以上、PDCAサイクルを回すためにそれぞれのポイントを押さえて活動に取り組んでいきましょう。
2012年の「これだけ!PDCA」(すばる舎リンケージ)を皮切りに、2014年「PDCAが面白いほどできる本」(KADOKAWA)、2016年「PDCAの教科書」(マイナビ)、2017年「マンガでやさしくわかるPDCA」(日本能率協会マネジメントセンター)、2018年はPDCAをテーマとした5冊目の本として「最強のPDCA」(ナツメ社)を出版。
「PDCAを回せる組織はすべからく成長できる」という持論のもとに作り上げた『PDCA浸透プログラム』は、「PDCAを回せない」個々の企業がそれぞれ抱えている問題の本質に正確に切り込んでいくプロセスを特長としており、企業規模、業種業態を問わず、様々な企業に採用されている。