こんにちは、D課長です!
前回のコラム 「これだけ!PDCA」のポイントを解説③ ~D(実行)のポイント~ では、実行を妨げる人間の3特性について解説しました。
今回は、PDCAのC(評価)のポイントについて解説します!
この記事は、次のような人におすすめです!
・計画→実行だけにとどまりPDCAサイクルを回せない
・Cのやり方・進め方がわからない
・すぐにCを取り組められるようにしたい
「うちはP→Dは得意だけど、Cが苦手」といった会社さんが少なくないのではないでしょうか
この記事を読んで、Cの考え方について理解し、企業運営、チーム運営に活かしていきましょう!
それではどうぞ!
目次
P→Dでとまってしまうワケ
C(評価)ができない原因は、計画の作りこみの甘さが挙げられます。
P(計画)の段階で、計画の作りこみができていれば、「評価するべきこと」は明確になっていて、特に何かを意識しなくてもPDCAサイクルを回すことはできるはずです。
そのためP→Dでとまってしまう方は、Pの段階で「評価するべきこと」を明確にしているか振り返ってみましょう。
ただ、実際には新しい期が始まり、「悠長にPから作り直すことなんてできない」といった人もいると思います。
そのような人は、下記のステップを参考に現在の課題に対するC(評価)を行なってみてください。
現状課題に対するC(評価)のステップ
現状の課題に対するC(評価)を行なうためのステップは、①現状を正しく認識する、②KPIを設定する、③評価のタイミングを決めるの3ステップになります。
ステップ① | 現状を正しく認識する |
ステップ② | KPIを設定する |
ステップ③ | 評価のタイミングを決める |
・現状を正しく認識する
→例えば目標達成が90%の場合、「達成できていない」と表層的な点ではなく、「なぜ達成できていないのか」原因を深堀し、現状を正しく認識しましょう
・KPIを設定する
→KPIとはKey Performance Indicatorの頭文字をとったもので、重要業績評価指標と訳されます。企業においては、売上・利益が求められるわけですが、結果自体をコントールすることはできないので、その結果をもたらす指標をコントロールするためにKPIを設定します。
→例えば、美容室でKPIを考えてみてみましょう。美容室には、単価が高い店舗と低い店舗があり、単価が高い店舗は、一人当たりの購買金額を高めるために滞在時間を長くとります。一方、単価が低い店舗は、売上を上げるために数をこなす必要があるので、滞在時間を短くしています。そのため、単価が高い店舗のKPIは施術の提案数、単価が低い店舗のKPIはカット時間が考えられます。
→以上のようにKPIを設定することで、目標達成に向けての進捗状況を把握し、必要に応じて改善策を講じることができます。
・評価のタイミングを決める
→いつのタイミングで評価するのか決めましょう
→タイミングは、最低でも四半期に1回(3カ月に1回)は行なうようにしましょう。
→評価のタイミングが遅くなればなるほど、改善施策を打つタイミングも遅くなってしまうので巻き返しを図ることが難しくなってしまいます。
KPI事例
営業活動のKPIとして、下記のようなものが例として挙げられます。
売上・利益をコントロールするためのKPIとして、是非参考にしてみてください。
[業種別KPI例]
専門商社 | 訪問軒数、商談時間、商談時間割合(商談時間/総労働時間) |
アパレル | 入店数、タッチ数(接客数)、試着体験数 |
飲食店 | リピート率、座席回転率、FLRコスト割合 |
化粧品メーカー | 開発商品数、代理店朝活数、同行数、得意先訪問軒数 |
新築 | 来店数、着座数、商談数、契約数 |
リフォーム | 反響数、現調数、見積提出数、契約数 |
士業(会計事務所) | 顧客別報酬、業務時間、時間当たり単価 |
まとめ
以上、C(評価)の進め方のポイント解説でした!
それでは、今回の内容を振り返ります。
[まとめ]
- 評価できないのは、計画の作りこみが甘いから
- 目の前の現状課題・問題に対しては、正しい事実の認識からスタート
- 適切なKPIを設定すれば、進捗の良し悪しの把握がしやすくなる
- 早いタイミングで振り返りを行ない、先手先手で手を打つことが重要
C(評価)を上手く進めていくためには、現状認識、KPI設定、振り返りタイミングなどを意識しましょう。
次回は、Dのポイントについてお伝えしていきます。
2012年の「これだけ!PDCA」(すばる舎リンケージ)を皮切りに、2014年「PDCAが面白いほどできる本」(KADOKAWA)、2016年「PDCAの教科書」(マイナビ)、2017年「マンガでやさしくわかるPDCA」(日本能率協会マネジメントセンター)、2018年はPDCAをテーマとした5冊目の本として「最強のPDCA」(ナツメ社)を出版。
「PDCAを回せる組織はすべからく成長できる」という持論のもとに作り上げた『PDCA浸透プログラム』は、「PDCAを回せない」個々の企業がそれぞれ抱えている問題の本質に正確に切り込んでいくプロセスを特長としており、企業規模、業種業態を問わず、様々な企業に採用されている。