こんにちは、D課長です!
今回は、第1章「PDCAが回らない6つの理由」の 『「できる目標」を設定してしまうから』 について解説していきます!それではどうぞ!
この記事は、次のような人におすすめです!
・目標の立て方がわからない
・いつも変わらないやり方で目標を立ててしまっている
1 なぜ、「できる目標」ではダメなのか?
「できる目標」を設定することはよくない目標設定の例です。
組織にとってはプラスにならないため、注意が必要です。
このような目標設定は、前回のコラムでも述べた「業績予測」と同様の問題を引き起こしますが、少し異なる側面もあります。
具体的には、「業績予測」は主に外部環境の影響に囚われて目標を高く設定することが難しいという考え方に対して、「できる目標」は「内部環境のジレンマ」に囚われてしまっているという点です。
2 ますます事業が縮んでくる
内部環境のジレンマをわかりやすくするため、以下の事例を見ていきましょう。
A社は売上を伸ばせず、利益を出すためにコスト削減を迫られる状況です。
そこで「できる限りコストを削減してなんとか利益を出そう」という方針が打ち出されます。
この状況下でも、現場は結果を出すことが求められますが、「今でも十分きついのにこれよりも高い目標などできるはずがない」と考えてしまいます。
このような内部環境のジレンマにより、次期目標を立てる際に「これ以上は伸ばせない」と考え、経営資源を最小限に抑える思考になってしまい、売上の伸びを妨げる悪循環に陥る可能性があります。
3 社内評価が足かせになる
内部環境のジレンマに関連して、評価制度や業績管理の仕組みが影響している場合があります。
例えば、評価制度で「目標管理制度」を導入している企業では、チャレンジングな目標よりも「できる目標」を設定するほうが有利と考えてしまう傾向があります。
また、業績管理では高い目標を立てると、会議などで報告する際にマイナスの結果を出すリスクが高まり、心理的なストレスが生じるため、結果的に「できる目標」に挑むことを好む傾向があります。
こうしたジレンマの中で設定される「できる目標」は、「今期と同じように来期も仕事をする」という前提に立つため、計画の作り込みを必要としないという悪循環が生じる可能性があります。
結果として、誰もチャレンジングな目標を立てない、という事態に陥ってしまいます。
4 まとめ
以上、「PDCAが回らない6つの理由」の 『できる目標」を設定してしまうから』についての解説でした!
それでは今回の内容を振り返ります。
[まとめ]
- 「できる目標」は、売上が伸びない(目標を達成しない)負のスパイラルを生む。
- 「内部環境のジレンマ」によってチャレンジングな目標が立てられなくなるので注意。
次回は、『「計画」がなくてもとりあえず動くから』についてお伝えしていきます。
2012年の「これだけ!PDCA」(すばる舎リンケージ)を皮切りに、2014年「PDCAが面白いほどできる本」(KADOKAWA)、2016年「PDCAの教科書」(マイナビ)、2017年「マンガでやさしくわかるPDCA」(日本能率協会マネジメントセンター)、2018年はPDCAをテーマとした5冊目の本として「最強のPDCA」(ナツメ社)を出版。
「PDCAを回せる組織はすべからく成長できる」という持論のもとに作り上げた『PDCA浸透プログラム』は、「PDCAを回せない」個々の企業がそれぞれ抱えている問題の本質に正確に切り込んでいくプロセスを特長としており、企業規模、業種業態を問わず、様々な企業に採用されている。